⑥改善

UXデザインの実践

UIデザインの改善は、ユーザーが直感的に操作できるインターフェースを提供することを目的とし、ボタンやメニューの配置を見直すことが主な方法です。一方、UXデザインの改善は、ユーザーが製品やサービスを通じて得る体験を向上させることを目的とし、ユーザーのフィードバックを基に体験全体を見直すことが重要です。リリース後の分析には、ユーザーの行動データを収集し、どの部分が改善を必要としているかを特定することが含まれます。

UIデザインの改善

目的

UIデザイン改善の目的は、ユーザーが製品やサービスを直感的に操作できるようにし、視覚的な魅力を高めることです。これにより、ユーザビリティを向上させ、ユーザーの離脱を防ぎます。

方法

  • ビジュアルデザインの見直し
    色彩、フォント、レイアウトなどを調整し、視覚的な一貫性と魅力を高めます。
  • プロトタイピング
    ワイヤーフレームやモックアップを作成し、デザインのフィードバックを得ます。これにより、実際の使用感を確認しながら改善点を特定できます。
  • アクセシビリティテスト
    色覚異常や視覚障害を持つユーザーにも配慮したデザインを検討します。

分析

  • ユーザビリティテスト
    実際のユーザーに操作してもらい、その反応や操作性についてフィードバックを収集します。
  • ヒートマップ分析
    ユーザーがどこをクリックしているか、どこで迷っているかを視覚的に把握し、UIの改善点を特定します。

UXデザインの改善

目的

UXデザインの改善は、製品やサービス全体を通じてユーザーが得る体験を向上させることです。これには、使いやすさだけでなく、感情的な満足度も含まれます。

方法

  • ペルソナとカスタマージャーニーマップの作成
    典型的なユーザー像(ペルソナ)とその行動パターン(カスタマージャーニー)を明確にし、それに基づいてUX設計を行います。
  • プロトタイプテスト
    初期段階でプロトタイプを作成し、ユーザーからフィードバックを得て改善します。これにより、本番環境での問題発生を未然に防ぎます。
  • インサイト分析
    ユーザーが無意識に持っている欲求や本音を探り出し、それに基づいてUX設計を行います。

分析

  • 定性調査と定量調査
    ユーザーインタビューやアンケート調査によって得られたデータから、ユーザーがどのような体験を求めているか分析します。
  • A/Bテスト
    異なるUXデザイン案を比較し、どちらがより良い結果(例えばコンバージョン率向上)につながるか検証します。

UIとUXは密接に関連していますが、それぞれ異なる側面から製品やサービスの質を高めるためのアプローチが必要です。UIは視覚的・操作的な側面に焦点を当て、一方でUXは全体的な体験価値に焦点を当てています。これら両方の改善が相まって、高品質な製品・サービス提供につながります。

松岡 号介

人はなぜその行動を選ぶのか?――そんな問いへの好奇心から、使いやすさだけでなく「選ばれる体験」をデザインしています。HCD-Net認定人間中心設計専門家/行動経済学1級。感性と論理のあいだを行き来しながら、UIの美しさとUXの納得感を両立させる設計を心がけています。2025年4月からは慶應義塾大学通信課程で哲学・心理・社会を学び直し中。デザインと人間理解を深め、より本質的な価値提供を目指しています。

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松岡 号介

人はなぜその行動を選ぶのか?――そんな問いへの好奇心から、使いやすさだけでなく「選ばれる体験」をデザインしています。HCD-Net認定人間中心設計専門家/行動経済学1級。感性と論理のあいだを行き来しながら、UIの美しさとUXの納得感を両立させる設計を心がけています。2025年4月からは慶應義塾大学通信課程で哲学・心理・社会を学び直し中。デザインと人間理解を深め、より本質的な価値提供を目指しています。

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