UXの5段階モデル

その他

UXの5段階モデルは、Jesse James Garrettによって提唱されたユーザーエクスペリエンス(UX)を設計するためのフレームワークです。このモデルは、プロダクト開発における各段階を明確にし、ユーザーのニーズに応じた効果的なデザインを実現するための指針となります。以下に、それぞれの段階について詳細に説明します。

戦略(Strategy)

この段階では、ユーザーのニーズとビジネス目標を明確にします。具体的には、ユーザー調査を通じてペルソナを作成し、どのような問題を解決するプロダクトなのかを定義します。手法としては、ユーザーインタビューやアンケート、エスノグラフィ調査が一般的です。

要件(Scope)

要件段階では、ユーザーが求める機能やコンテンツを特定します。カスタマージャーニーマップやストーリーボードを用いて、ユーザー体験を視覚化し、必要な機能をリストアップします。

構造(Structure)

構造段階では、要件で定義したコンテンツや機能を整理し、全体の情報構造を設計します。サイトマップや画面一覧を作成し、ユーザーが求める情報にアクセスしやすいようにナビゲーションを設計します。

骨格(Skeleton)

骨格段階では、具体的なインターフェースデザインを行います。ワイヤーフレームを作成し、情報の配置やレイアウトを決定します。また、この段階でユーザビリティテストを行い、実際のユーザーからフィードバックを得ることで設計の改善点を見つけます。

表層(Surface)

表層段階では、最終的なビジュアルデザインを行います。色彩やフォント選定、アイコンデザインなど視覚的要素を整えます。この段階ではUIデザインが中心となり、ユーザーに与える印象や感情に訴えるデザインが求められます。

この5つの段階は互いに密接に関連しており、一つ前の段階のアウトプットが次の段階のインプットとなります。これによって、一貫性のあるUXデザインが実現されるため、各段階で適切な手法とアウトプットを意識することが重要です。

松岡 号介

人はなぜその行動を選ぶのか?――そんな問いへの好奇心から、使いやすさだけでなく「選ばれる体験」をデザインしています。HCD-Net認定人間中心設計専門家/行動経済学1級。感性と論理のあいだを行き来しながら、UIの美しさとUXの納得感を両立させる設計を心がけています。2025年4月からは慶應義塾大学通信課程で哲学・心理・社会を学び直し中。デザインと人間理解を深め、より本質的な価値提供を目指しています。

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松岡 号介

人はなぜその行動を選ぶのか?――そんな問いへの好奇心から、使いやすさだけでなく「選ばれる体験」をデザインしています。HCD-Net認定人間中心設計専門家/行動経済学1級。感性と論理のあいだを行き来しながら、UIの美しさとUXの納得感を両立させる設計を心がけています。2025年4月からは慶應義塾大学通信課程で哲学・心理・社会を学び直し中。デザインと人間理解を深め、より本質的な価値提供を目指しています。

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