HCD-Net 認定人間中心設計専門家及びスペシャリスト認定試験【A9】

HCD-Net認定試験

製品やシステム、サービスの使用に際し、ユーザーが情報を理解しやすく、またユーザー自身が情報を探しやすくなるような構造を、要求仕様に基づいて設計できる能力のこと
*ユーザーニーズとコンテンツの属性をもとに適切な情報構造を設計したり、ラベリングの一貫性を持たせたりできることが求められる。Webやアプリのみに関わらず、ユーザーにどのような情報構造を設計し、わかりやすく提示するかが重要
*情報構造の設計の意図を持たず、ワイヤーフレームを書いただけでは情報構造の設計能力とは言えないので注意
アウトプットの例:コンテンツインベントリ、サイトマップ、状態遷移フロー、命名規則リスト、類義語リスト、メタデータ仕様書、ナビゲーション設計書、API設計書、メニュー構造、ドキュメントの構造、ワイヤーフレーム

A9. 情報構造の設計能力(基本コンピタンス)

みんなが使いやすいように、情報を整理する力

たとえば、みんなが大好きなゲームを想像してみてね。

ゲームには、たくさんの情報があるよね?

  • どんなキャラクターがいるのか
  • どんなアイテムがあるのか
  • どんなステージがあるのか
  • どうやったらゲームを進められるのか

これらの情報が、わかりやすく整理されていないと、ゲームをプレイするのは難しいよね。

情報構造の設計 というのは、みんながゲームをプレイしやすいように、これらの情報を整理して、わかりやすく見せるための力なんだ。

どんなことができるようになるの?

  • 情報の整理整頓:
    ゲームの情報を、種類や役割ごとに、わかりやすく分類することができるようになるよ。 例えば、キャラクターの情報は「キャラクター図鑑」にまとめたり、アイテムの情報は「アイテムリスト」にまとめたりするんだ。
  • わかりやすい名前をつける:
    キャラクターやアイテムに、わかりやすい名前をつけることができるようになるよ。 例えば、「炎の剣」や「回復ポーション」のように、どんな効果があるのか一目でわかる名前をつけるんだ。
  • 見つけやすいようにする:
    必要な情報を、すぐに見つけられるように工夫することができるようになるよ。 例えば、「キャラクター図鑑」では、キャラクターを種類別に並べたり、名前で検索できるようにしたりするんだ。

どんな時に役立つの?

情報構造の設計は、ゲームだけでなく、ウェブサイトやアプリ、本など、いろいろなところで役立つよ。

例えば、みんながよく使うウェブサイトを例に考えてみよう。

ウェブサイトには、たくさんのページがあるよね?

  • トップページ
  • 商品紹介ページ
  • お問い合わせページ

これらのページが、わかりやすく整理されていないと、みんなが欲しい情報を見つけるのは難しいよね。

情報構造の設計を使うと、これらのページを、わかりやすく整理して、みんなが見たい情報を見つけやすくすることができるんだ。

注意!

ただ単に、ウェブサイトのデザインを考えるだけでは、情報構造の設計とは言えないよ。

大切なのは、なぜそのようなデザインにしたのかどんな風に情報を整理したのか を、きちんと説明できることなんだ。

まとめ

情報構造の設計は、みんなが情報を見つけやすく、理解しやすくするための、とても大切な力なんだ。

図解で見てみよう!

ウェブサイトを例に、情報構造を図解で見てみよう!

情報の種類情報の整理わかりやすい名前見つけやすくする工夫
商品情報種類別(家電、おもちゃ、本など)商品名、価格、説明検索機能、カテゴリー別表示
お知らせ新着順、重要度順タイトル、日付目立つ場所に表示
会社情報会社概要、沿革、採用情報ページタイトルフッターメニューに配置

このように、情報を整理することで、ウェブサイトが見やすくなるんだ。

状態遷移フロー

例えば、ネットショッピングで商品を買う流れを、図で表してみよう。

  1. 商品を選ぶ → 2. カートに入れる → 3. 購入手続き → 4. 支払い → 5. 購入完了

このように、状態遷移フローを使うことで、複雑な操作もわかりやすくなるんだ。

情報構造の設計で作るものには、次のようなものがあるよ。

  • コンテンツインベントリ: ウェブサイトにどんな情報があるのかをリストにしたもの
  • サイトマップ: ウェブサイトのページ構成を図にしたもの
  • 状態遷移フロー: 操作の流れを図にしたもの
  • 命名規則リスト: 名前の付け方のルールをまとめたもの
  • 類義語リスト: 同じような意味の言葉をまとめたもの
  • メタデータ仕様書: データの説明をまとめたもの
  • ナビゲーション設計書: メニューの構成をまとめたもの
  • API設計書: プログラム同士が情報をやり取りするためのルールをまとめたもの
  • メニュー構造: メニューの順番や階層をまとめたもの
  • ドキュメントの構造: 説明書などの構成をまとめたもの
  • ワイヤーフレーム: ウェブサイトのレイアウトを簡単に描いたもの
松岡 号介

人はなぜその行動を選ぶのか?――そんな問いへの好奇心から、使いやすさだけでなく「選ばれる体験」をデザインしています。HCD-Net認定人間中心設計専門家/行動経済学1級。感性と論理のあいだを行き来しながら、UIの美しさとUXの納得感を両立させる設計を心がけています。2025年4月からは慶應義塾大学通信課程で哲学・心理・社会を学び直し中。デザインと人間理解を深め、より本質的な価値提供を目指しています。

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松岡 号介

人はなぜその行動を選ぶのか?――そんな問いへの好奇心から、使いやすさだけでなく「選ばれる体験」をデザインしています。HCD-Net認定人間中心設計専門家/行動経済学1級。感性と論理のあいだを行き来しながら、UIの美しさとUXの納得感を両立させる設計を心がけています。2025年4月からは慶應義塾大学通信課程で哲学・心理・社会を学び直し中。デザインと人間理解を深め、より本質的な価値提供を目指しています。

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