こんにちは。この記事では、みなさんが「人間中心設計(HCD)」という考え方を学びながら、HCD‐Net認定の資格に挑戦することについて、わかりやすく丁寧にお伝えいたします。資格というのは、学校でテストに合格するようなもので、あなたがユーザーのことを大切に考えた設計をしているという証明になります。
1. この記事の目的と対象
この記事は、これからHCD‐Net認定の「人間中心設計専門家」や「人間中心設計スペシャリスト」に挑戦しようと考えている人向けです。
・なぜこの資格が大切なのか
・資格をとるとどんな良いことがあるのか
・どうやって受験の準備をするのか
など、やさしくかつ専門的な部分も丁寧に説明いたします。
2. HCD‐Net認定資格とは?
2-1. 資格の概要
HCD‐Net認定資格は、ユーザーの使いやすさを重視する設計方法「人間中心設計(HCD)」を実践した人を認める資格です。以下の表に、資格の2種類の特徴をまとめました。
資格名 | 必要な実務経験 | 特徴 |
---|---|---|
人間中心設計専門家 | 5年以上の実務経験 | プロジェクト全体をリードするマネジメント能力や、豊富な実績が求められます。 |
人間中心設計スペシャリスト | 2年以上の実務経験 | 実際のHCDプロセスを実践した経験があれば受験可能で、専門家ほどの経験は不要です。 |
2-2. 資格認定の背景
HCD‐Netは、国内で「人間中心設計」に特化した唯一の公益団体です。
この資格制度は、使う人のことを大切に考える設計方法を実践し、よりよい製品・サービスを生み出すために設けられました。
3. 資格取得のメリットと挑戦する価値
資格を取得することには、以下のようなメリットがあります。
メリット | 説明 |
---|---|
キャリアアップ | 社内外で「ユーザーに寄り添った設計ができる専門家」として認められ、リーダーシップが発揮できます。 |
自己評価と内省の機会 | 自分の実績を整理し、これまでの成長や強みを再確認する機会となります。 |
ネットワークの拡大 | 同じ資格取得者やHCDコミュニティとの交流により、情報共有や新たなアイデアが生まれます。 |
4. 受験プロセスと審査書類作成のポイント
4-1. 受験の基本プロセス
受験は、以下のようなステップで進みます。
ステップ | 内容 | 備考 |
---|---|---|
申し込み | HCD‐Net公式サイトで受験の申込みを行います。 | 申込み期間に注意してください。 |
審査書類の作成 | 自身のプロジェクト経験を、HCDプロセスに沿って文章にまとめます。 | 文章量は3万字~15万字にもなることがあります。 |
審査書類の提出 | 作成した書類を提出し、審査を受けます。 | 複数の専門家による審査があります。 |
4-2. 審査書類作成の苦労と工夫
審査書類作成では、以下のポイントに注意すると良いでしょう。
ポイント | 工夫・対策例 |
---|---|
文章量の多さ | ・各プロジェクトごとに要点をメモし、全体の流れを整理する。 ・Notionなどのツールを活用する。 |
孤独な作業 | ・先輩の体験談や説明会の情報を参考にし、相談できるコミュニティに参加する。 |
何を書くべきかの迷い | ・過去の実績を具体的な事例や数字を交えて整理し、わかりやすく記述する。 |
5. 受験準備と学習リソース
5-1. 受験準備のタイムライン
受験準備は、大まかに以下の流れで進めるとわかりやすいです。
段階 | 内容 |
---|---|
情報収集 | 説明会やセミナーに参加し、HCDの基本や資格制度の詳細を学びます。 |
実績の棚卸 | 自分の過去のプロジェクトを振り返り、どこでHCDを実践したか整理します。 |
書類作成計画 | どのプロジェクトをどのように文章にまとめるか、計画を立てます。 |
審査書類作成 | 実際に文章を作成し、必要な情報を整理・記述します。 |
5-2. おすすめの学習リソース
以下のリソースを活用すると、より効果的に準備が進みます。
リソース | 内容 |
---|---|
HCD‐Net公式サイト | 資格に関する最新の応募要項や詳細情報が掲載されています。 |
先輩のブログ記事・インタビュー | 実際に資格を取得した方の体験談や具体的なアドバイスが参考になります。 |
オンラインセミナー | 動画やイベントで、わかりやすい解説を受けることができ、疑問点を解消できます。 |
6. 合格後の活用方法とキャリア展望
資格取得後は、以下のような活用が期待できます。
活用方法 | 説明 |
---|---|
社内での信頼向上 | 資格を持つことで、プロジェクト推進時に「安心感」を提供し、役割が広がります。 |
クライアントとの信頼構築 | 資格があることで、クライアントから専門家として認められ、業務の幅が広がります。 |
継続的な学習・資格更新 | 定期的に更新のための学習を続け、常に最新の知識と技術を維持できます。 |
7. まとめとエール
この記事では、HCD‐Net認定資格の概要、メリット、受験プロセス、受験準備、そして合格後の活用方法について、視覚的にわかりやすい表組みを交えてご紹介いたしました。
資格取得は、これまでの実績を整理し、自分の強みを証明する大切なチャンスです。
また、資格取得に挑戦することは、会社やお客様に「ユーザーに寄り添った設計ができる専門家」として認められるための第一歩でもあります。
かくゆう、私も2024年度に書類を提出し、結果を待っている状態の挑戦者です。皆さまも不安な点があれば、公式サイトや先輩の体験談、セミナーなどを参考に、一歩ずつ準備を進めてください。あなたの挑戦が、より良い未来のプロダクト・サービス作りに大きく貢献することを心より願っております。
1. 申し込み期間
- 毎年11月上旬から11月下旬にかけて受付されます。具体的には、2024年度の場合、2024年11月1日(金)~11月21日(木)16:59が申込期間でした。
- 過去の事例でも同様の時期に設定されており、例年11月に集中する傾向があります。
2. 審査書類提出締切
- 申し込み後、審査書類の提出期限は翌年1月中旬に設定されます。2024年度の場合:
- スペシャリスト:2025年1月9日(木)16:59
- 専門家:2025年1月15日(水)16:59
- 審査書類は実務経験に基づく詳細な記述が必要で、作成には2か月程度の期間が推奨されています。
3. その他の関連スケジュール
- 受験者説明会:例年11月にオンライン(Zoom)で開催され、2024年度は11月13日(水)に実施されました。
- 合格発表:審査後、3月末に公式サイトで発表されます(例:2024年度は2025年3月末予定)
HCD-Net認定資格の合格推移を読み解く
HCD-Net認定資格は、日本唯一のHCD(人間中心設計)に特化した資格制度として、専門家とスペシャリストの2種類が認定されています。資格制度自体がHCD活動の普及と、実務におけるコンピタンスの向上を目的としていることから、近年では応募者数も増加し、認定者数も着実に伸びています。本記事では、ここ数年の合格推移や合格率の変化を分析し、その背景や今後の展望について考察します。
合格推移の概要
公式サイトの最新データ(2024年5月9日更新)によると、過去7年間の応募者数、合格者数、そして合格率は以下のようになっています。
年度別データ(抜粋)
年度 | 専門家応募者数 | 専門家合格者数 | 専門家合格率 | スペシャリスト応募者数 | スペシャリスト合格者数 | スペシャリスト合格率 | 総合応募者数 | 総合合格者数 | 総合合格率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2016年度 | 133 | 49 | 36.84% | 96 | 43 | 38.54% | 229 | 92 | 40.17% |
2017年度 | 178 | 54 | 30.34% | 130 | 69 | 40.00% | 308 | 123 | 39.94% |
2018年度 | 193 | 76 | 39.38% | 152 | 82 | 44.74% | 345 | 158 | 45.80% |
2019年度 | 211 | 92 | 43.60% | 173 | 99 | 46.82% | 384 | 191 | 49.74% |
2020年度 | 179 | 67 | 37.43% | 181 | 96 | 41.44% | 360 | 163 | 45.28% |
2021年度 | 302 | 121 | 40.07% | 232 | 144 | 44.83% | 534 | 265 | 49.63% |
2022年度 | 347 | 143 | 41.21% | 265 | 179 | 51.70% | 612 | 322 | 52.61% |
2023年度 | 358 | 136 | 37.99% | 298 | 173 | 43.96% | 656 | 309 | 47.10% |
合格率の推移から見える傾向
専門家とスペシャリストの違い
- 専門家: 初年度は約37%前後の合格率でしたが、2018年度以降は徐々に上昇傾向(最大で約43.6%)となりました。2023年度では37.99%とやや低下していますが、全体的には安定した水準を維持しています。
- スペシャリスト: こちらは専門家よりも若干高い合格率で推移しており、2018年度以降は40%台後半から50%近くまで上昇。2022年度には特に高い数値を示していますが、2023年度には43.96%と若干の調整が見られます。
全体の応募者数と合格者数
応募者数は年々増加傾向にあり、認定資格の認知度や需要の拡大が背景にあると考えられます。それに伴い、合格者数も増加していますが、合格率自体は年度ごとに変動があるため、出題内容の難易度や応募者の実務経験の充実度など、さまざまな要因が影響していると推察されます。
合格率変動の要因と考察
- 応募者層の変化: 経験や実績が多様な応募者が増えることで、審査基準とのマッチングに差が出る可能性があります。
- 審査基準の見直し: HCD-Netは定期的に応募要領や審査基準の改訂を行っており、これが合格率に影響を与えていると考えられます。
- 業界のニーズ拡大: HCDの重要性が広く認識される中で、資格取得を目指す動機付けが強まる一方、実務経験が求められるため合格率の向上には一定の難易度が伴っています。
今後の展望
今後もHCD-Net認定資格は、HCDの普及と実務の質向上を背景に、応募者数の増加が予測されます。そのため、合格率は一時的な変動があっても、全体としては安定した水準を保ちつつ、認定資格の信頼性が向上していくと期待されます。
また、実務に直結した経験やプロジェクト事例が評価の対象となるため、受験者自身が日々の業務を通じてスキルアップを図ることが、今後の合格率向上にもつながるでしょう。
まとめ
HCD-Net認定資格の合格推移からは、応募者数の増加や専門家・スペシャリスト間の合格率の違いが明らかとなっています。各年度ごとの数値は、HCDに対する業界の関心の高さと、受験者の経験・スキルの多様性を反映しており、今後もHCD活動の普及に伴い、資格取得の意義はますます高まっていくと考えられます。
HCDに関わる実務をより一層充実させるためにも、資格取得を目指す方は、過去のデータや合格傾向をしっかりと分析し、自身のキャリアアップの一助としていただければ幸いです。