認知負荷の管理

UXデザインの理論

UXデザインにおける認知心理学の認知負荷は、私たちの脳が情報を処理する際に感じる負担のことです。例えば、ウェブサイトで文字が小さすぎたり、情報が多すぎると、脳が処理しきれず、疲れてしまうような状態を想像してみてください。HCDの分野では、この認知負荷を減らすことが、より使いやすい製品やサービスを作る上で非常に重要だと考えられています。

認知負荷のタイプ

認知負荷には主に三つのタイプがあります

  1. 内因性負荷(Intrinsic Load)
    • タスク自体の難易度によって決まります。複雑な操作や多くの情報を同時に処理する必要がある場合、内因性負荷は高くなります。
  2. 外因性負荷(Extraneous Load)
    • タスクに関連しない情報や要素によって引き起こされる負荷です。視覚的に混乱を招くデザインや不必要な情報が多い場合、外因性負荷が増加します。
  3. 有用性負荷(Germane Load)
    • 学習や理解を助けるための負荷であり、適切な情報提供やフィードバックによって促進されます。

認知負荷を軽減するデザイン原則

認知負荷を軽減するための具体的なデザイン原則には以下のようなものがあります

  • 情報の整理と視覚的階層構造
    情報を整理し、視覚的な階層構造を明確にすることで、ユーザーは必要な情報を迅速に見つけることができます。
  • シンプルなインターフェース
    複雑さを排除し、シンプルで直感的なインターフェースを設計することで、ユーザーの認知負荷を軽減できます。
  • フィードバックとガイダンス
    ユーザーが行った操作に対して適切なフィードバックを提供し、次のステップへのガイダンスを行うことで、有用性負荷を高めることができます。

結論

認知心理学の原則をUXデザインに適用することは、ユーザビリティやエンゲージメントに大きく影響します。デザイナーはこれらの原則を理解し、実践することでより良い製品やサービスを提供できるでしょう。

松岡 号介

松岡 号介

広告代理店、Web制作会社、マーケティング会社、システム会社などの業界でWebデザイン、UI/UXデザインを経験し、2022年にフリーランスへ転身しました。中でもUXデザインの分野に強く惹かれ、体系的な学習を開始しました。具体的には認知工学(認知心理学)、行動経済学、HCD、デザイン思考、デザインシステムなど、UXデザインの実践に関する関連知識を深め、資格も取得しました。UXデザインに惹かれたポイントは、ユーザーの行動や心理を科学的に分析でき、再現性高く、より良いユーザー体験を提供できる点にあります。この強みを活かし、UXデザインの実践と普及に貢献したいと考えています。

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松岡 号介

松岡 号介

UXデザインに取り組みたいと考えているものの、マインドセットや理論が不足し、実践に移せていないデザイナーやデザイン組織の方々を対象に、伴走型のUXデザイン支援を行っています。認知工学(認知心理学)、行動経済学、HCD、デザイン思考、デザインシステムなど、UXデザインの実践に不可欠な知識を深く習得し、関連資格も取得しています。これら専門知識を活かし、UXデザインをより深く、そして楽しく学ぶことができるよう、初心者の方にもわかりやすく解説することを得意としています。

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