カスタマージャーニーマップ

UXデザインの対象領域

カスタマージャーニーマップの作成は、ユーザーの体験を深く理解し、改善するための重要なプロセスです。以下に、現状の体験を示す「As-is」と理想の体験を示す「To-be」のカスタマージャーニーマップの作成方法をステップバイステップで説明します。

As-isカスタマージャーニーマップの作成

  1. ペルソナの設定
    • ターゲットユーザーの具体的なプロフィールを設定します。年齢、性別、職業、趣味などの情報を含め、ユーザーの行動やニーズを理解します。
  2. ユーザーインタビューの実施
    • 実際のユーザーから情報を収集し、ユーザーの行動、感情、思考を把握します。このデータは「As-is」マップ作成の基礎となります。
  3. タスク整理
    • ユーザーの行動や思考を整理し、主要な行動(例:認知、情報収集、購入)をリストアップします。各行動に対する思考や感情も記録します。
  4. カスタマージャーニーマップの作成
    • 横軸に時間軸、縦軸にユーザーの行動、思考、感情、タッチポイントを配置し、ユーザー体験を視覚化します。
  5. 課題分析
    • 各ステージで特定された課題を分析し、ユーザーの不安や不満、改善すべきポイントを明確にします。

To-beカスタマージャーニーマップの作成

  1. 目的と目標の定義
    • To-beマップの目的を明確にし、新しいユーザー体験で達成したいことを理解します。顧客満足度の向上やコンバージョン率の増加などの目標を設定します。
  2. As-Isマップのレビュー
    • 既存のAs-Isマップを分析し、改善が必要なポイントを特定します。これがTo-beマップの基盤となります。
  3. ユーザーのニーズと期待の特定
    • ユーザーフィードバックやアンケートを通じて、ユーザーの期待を理解し、To-beジャーニーをユーザーのニーズに合わせます。
  4. ジャーニーの主要ステージのアウトライン
    • As-Isマップと同様に、To-beマップの主要ステージをアウトライン化します。各ステージでユーザーがどのように製品やサービスと関わるかを示します。
  5. ユーザーの行動とタッチポイントの詳細化
    • 各ステージでのユーザーの行動とタッチポイントを具体化し、ユーザーの期待に応えるように設計します。
  6. ユーザーの感情と考えの組み込み
    • 各ステージでのユーザーの感情や考えをマッピングし、体験を向上させる機会を特定します。
  7. 課題解決策の特定
    • As-Isマップとユーザーフィードバックから得た洞察に基づき、各課題に対する解決策を提案します。
  8. To-beジャーニーマップの視覚化
    • To-beジャーニーマップを視覚化し、全ステージ、行動、タッチポイント、感情、提案された解決策を明確に示します。
  9. ステークホルダーとの検証
    • To-beマップを関連するステークホルダーと共有し、フィードバックを得て、部門間の整合性を確保します。
  10. 変更の実施と進捗の監視
    • To-beジャーニーマップに基づいて変更を実施し、ユーザーのインタラクションを監視して、改善が実現されているかを評価します。
  11. 必要に応じた反復
    • 顧客のニーズや市場の状況は変化するため、新しい洞察やフィードバックに基づいてTo-beジャーニーマップを定期的に更新します。
松岡 号介

人はなぜその行動を選ぶのか?――そんな問いへの好奇心から、使いやすさだけでなく「選ばれる体験」をデザインしています。HCD-Net認定人間中心設計専門家/行動経済学1級。感性と論理のあいだを行き来しながら、UIの美しさとUXの納得感を両立させる設計を心がけています。2025年4月からは慶應義塾大学通信課程で哲学・心理・社会を学び直し中。デザインと人間理解を深め、より本質的な価値提供を目指しています。

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松岡 号介

人はなぜその行動を選ぶのか?――そんな問いへの好奇心から、使いやすさだけでなく「選ばれる体験」をデザインしています。HCD-Net認定人間中心設計専門家/行動経済学1級。感性と論理のあいだを行き来しながら、UIの美しさとUXの納得感を両立させる設計を心がけています。2025年4月からは慶應義塾大学通信課程で哲学・心理・社会を学び直し中。デザインと人間理解を深め、より本質的な価値提供を目指しています。

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