時間がない場合のHCDプロセスの進め方

その他

十分なHCD(人間中心設計)プロセスを行う時間がない場合でも、効果的に進めるためのいくつかの方法があります。以下にその具体的な対策を示します。

優先順位の設定

限られた時間の中で最も重要なHCD活動に集中することが重要です。ユーザー調査やプロトタイピングなど、プロジェクトの成功に直結する要素を特定し、それらにリソースを集中させます。例えば、ユーザーインタビューや観察を通じて得られるインサイトは、製品やサービスの方向性を大きく左右するため、優先的に実施する価値があります。

簡易プロトタイピング

時間が限られている場合、詳細なプロトタイプを作成する代わりに、ペーパープロトタイプや簡易なデジタルモックアップを使用して迅速にフィードバックを得ることができます。これにより、ユーザーからの早期のフィードバックを得て、設計の方向性を確認することが可能です。

定性調査の活用

定性調査は少人数でも深いインサイトを得ることができるため、時間がない場合でも有効です。例えば、少人数のユーザーグループに対してインタビューや観察を行い、その結果からユーザーのニーズや課題を抽出します。

仮説検証型アプローチ

仮説を立て、それを検証する形で進めることで、効率的にHCDプロセスを進めることができます。仮説が正しいかどうかを確認するための最小限のテストや調査を行い、その結果に基づいて次のステップを決定します。

ステークホルダーとの連携

社内外のステークホルダーと密接に連携し、彼らから得られる知見やデータを活用することで、HCDプロセス全体の効率化が図れます。また、ステークホルダーからのフィードバックは、設計上の重要な指針となることがあります。

これらの戦略を活用することで、限られた時間内でも効果的なHCDプロセスを実施し、ユーザー中心の製品・サービス開発が可能になります。

松岡 号介

松岡 号介

広告代理店、Web制作会社、マーケティング会社、システム会社などの業界でWebデザイン、UI/UXデザインを経験し、2022年にフリーランスへ転身しました。中でもUXデザインの分野に強く惹かれ、体系的な学習を開始しました。具体的には認知工学(認知心理学)、行動経済学、HCD、デザイン思考、デザインシステムなど、UXデザインの実践に関する関連知識を深め、資格も取得しました。UXデザインに惹かれたポイントは、ユーザーの行動や心理を科学的に分析でき、再現性高く、より良いユーザー体験を提供できる点にあります。この強みを活かし、UXデザインの実践と普及に貢献したいと考えています。

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松岡 号介

松岡 号介

UXデザインに取り組みたいと考えているものの、マインドセットや理論が不足し、実践に移せていないデザイナーやデザイン組織の方々を対象に、伴走型のUXデザイン支援を行っています。認知工学(認知心理学)、行動経済学、HCD、デザイン思考、デザインシステムなど、UXデザインの実践に不可欠な知識を深く習得し、関連資格も取得しています。これら専門知識を活かし、UXデザインをより深く、そして楽しく学ぶことができるよう、初心者の方にもわかりやすく解説することを得意としています。

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