HCD-Net 認定人間中心設計専門家及びスペシャリスト認定試験【A2】

HCD-Net認定試験

ユーザーの利用状況や本質的要求などを把握するために、現場でユーザーの利用文脈調査を適切に実施できる能力のこと
*「ユーザーによって対象を評価すること」ではなく、「ユーザーやその周辺の状況を調査すること」に関わるコンピタンスである
*この能力は下記の2つの能力によって構成される
・適用する調査手法や実施方法、対象者の選定について、調査の目的や位置づけに応じて適切に判断/選択する能力
・選択された調査手法や実施方法などに基づいて、自ら適切に調査を実施する能力
上記の他、質問紙調査などユーザーなどに対して調査を実施し、ユーザーに関するデータを取得する手法であれば、それらの実施能力が対象となる
*選択された調査手法や実施方法などの実施能力として代表的なものに、以下がある
・インタビュー設計実施能力:対象者との対話を通じて、目的に対し適切な発話を引き出し、言語データを得る能力のこと。 インタビュー実施にあたっては、対象者とラポールを形成し、調査の目的を深く理解した上で対象者の反応に対して適切な発言促進をかけ、事実や本音を引き出すことが期待される
・観察実施能力:ユーザーと利用状況の観察を通じて、さまざまな事象に気づき、目の前で起きていることと既存知識を結びつけ、洞察を行う能力のこと。 実施にあたっては、調査者自身の活動が対象者に与える影響を理解し、適切な方法でデータを取得することが期待される
アウトプットの例:
・インタビュー設計実施能力:半構造化インタビュー、文脈的質問
・観察実施能力:行動観察、エスノグラフィー

A2. ユーザー調査実施能力(基本コンピタンス)

みんなのためのものを作るために、人をよく知ろう!

みんなが使いやすいもの、楽しいものを作るには、どんな人がどんな時にそれを使うのかを よく知ることが大切 なんだ。

たとえば、新しいゲームを作る時を考えてみよう。

  • どんな人が遊ぶかな? (小学生?中学生?大人?)
  • どんな場所で遊ぶかな? (家?学校?電車の中?)
  • どんな時に遊ぶかな? (暇な時?友達といる時?)

こうしたことを 「ユーザー調査」 といって、実際に人に会ったり、観察したりして調べるんだ。

ユーザー調査ってどんなことをするの?

ユーザー調査には、大きく分けて 2つの力 が必要だよ。

  1. どんな調査をするかを決める力:
    • 誰に聞くか?
    • どうやって聞くか? (お話をする?見るだけ?)
    • どんな方法を使うか? (アンケート?インタビュー?)
    これらは、どんなことを知りたいかによって、 きちんと考えて決める 必要があるんだ。
  2. 実際に調査をする力:
    • 上で決めた方法で、 きちんと調査を進める力 だよ。

どんな調査方法があるの?

代表的な調査方法には、こんなものがあるよ。

  • インタビュー: 人に直接会って、お話を聞く方法だよ。
    • ただ質問するだけじゃなくて、相手が話しやすいように、 仲良くなること も大切なんだ。
    • そして、 本当の気持ち を教えてもらうように、うまく質問するんだよ。
    • 例:
      • あらかじめ質問を決めておきながら、お話の流れで違う質問もする。
      • 「どうしてそう思ったの?」と、理由を聞く。
  • 観察: 実際に人が使っている様子を じっくり見る 方法だよ。
    • じっと見ていると、いろんなことに気づくことができるんだ。
    • でも、見ていることが相手にバレないように、 気を付ける 必要があるよ。
    • 例:
      • どんな風にゲームをしているか、見て記録する。
      • どんな場所で、どんな人がゲームをしているか、見る。
調査方法説明
インタビュー人に直接会ってお話をするあらかじめ質問を決めておきながら、お話の流れで違う質問もする。
観察実際に人が使っている様子をじっくり見るどんな風にゲームをしているか、見て記録する。

ユーザー調査は、みんなが使いやすいもの、楽しいものを作るために、 とても大切なもの なんだね!

松岡 号介

松岡 号介

広告代理店、Web制作会社、マーケティング会社、システム会社などの業界でWebデザイン、UI/UXデザインを経験し、2022年にフリーランスへ転身しました。中でもUXデザインの分野に強く惹かれ、体系的な学習を開始しました。具体的には認知工学(認知心理学)、行動経済学、HCD、デザイン思考、デザインシステムなど、UXデザインの実践に関する関連知識を深め、資格も取得しました。UXデザインに惹かれたポイントは、ユーザーの行動や心理を科学的に分析でき、再現性高く、より良いユーザー体験を提供できる点にあります。この強みを活かし、UXデザインの実践と普及に貢献したいと考えています。

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松岡 号介

松岡 号介

UXデザインに取り組みたいと考えているものの、マインドセットや理論が不足し、実践に移せていないデザイナーやデザイン組織の方々を対象に、伴走型のUXデザイン支援を行っています。認知工学(認知心理学)、行動経済学、HCD、デザイン思考、デザインシステムなど、UXデザインの実践に不可欠な知識を深く習得し、関連資格も取得しています。これら専門知識を活かし、UXデザインをより深く、そして楽しく学ぶことができるよう、初心者の方にもわかりやすく解説することを得意としています。

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